2020年3月23日月曜日

神奈川県中学校顧問・指導者養成講座その3報告


<ねらい>
 今日の中学校部活動における、バドミントン指導を適切に行うために神奈川県内の中学校バドミントン部指導者に対して、県内外のベテランの指導者や専門家に講義や実技指導を依頼して、日常の部活動指導にいかせるような養成講座として平成27年の講座に引き続き第2弾として行います。
 今回は他県の指導者に幅広く講座を持っていただけるようにお願いしています。
 なお、この講習会は神奈川県中体連バドミントン専門部にお願いして発起人が行うものです。中体連が主催して行うものではありません。


 第3回の養成講座を3月22日(日)幸SCに
YONEX(株)
「島田大輝さま」をお招きして、
「松尾 豊」が講義を行いました以下報告します。

 今回は新型コロナウイルス感染防止に注意して行いました。川崎ジュニア通常練習会としても行いました。選手45名に指導者養成講座参加者9名を加えて9時~15時無事に終了しました。関係者に感謝します。
 朝の「検温」は体育館外で選手指導者全員行いました。体育館内で「消毒」「手洗い」、体育館は風が入って来ましたが、窓や扉をあけて換気を十分にして行いました。

<午前> 9時~11時30分
選手は高校生、小売店指導者、YONEX島田さまの指導で体育館で練習しました。号令・体操・コートランニング主任6名決め
体操 MP CS SJ コートランニング
基礎打ち ゴムトレ SN3点NR 243 312各2セットを行いました。

講義 講師:松尾 豊(川崎ジュニアバドミントンクラブ、元神奈川県中体連専門部長)
①神奈川県強化の方策への提言
過去2回の講習会の感想をいただきました。神奈川県と他県の年間計画の比較をして来ました。県の規模の違いもあるため一概に他県の取り組みをそのまま採用することはできないかも知れませんが、お互いを知って良い方向性を探ることは大切と考えています。
・他県の様子
      ⇒年間計画比較  県総体に向けての取り組み
・神奈川県の様子

・歴史を知ることが大切です。 自分が県部長だったのは1992年~1995年です。
県総体:1969年第1回大会開催 今年52回目 
新人戦:1972年開始 1995年1本化(それまでは3ブロック制)
県選抜:1995年開始 それまで団体戦の新人大会はなかった
県合宿:1992年開始 翌年に関東合宿開催のため開催に踏み切った
JOC:1992年県大会開始 神奈川県はダブルスも行った
強化リーグ:1990年?開始 県総体のシード決めとして開始 
 自分が顧問なって始めて県総体に出場したとき(1981年)県総体の組合せはキャプテン会議の時に行っていた。部長の方が「今年強い学校はありますか?」すると、ある顧問が「自分の学校強いです!」と発言すると、その学校が第1シードになりました。ビックリしました。市を越えて練習する環境もあまりなく、強い学校は限られていました。その後、前年度シードとなり、今の強化リーグを経て、現在は第8シードまで取るようになりましたが、最初は4シードしか取りませんでした。ブロックで1位になっても第1シード下ということもありました。
 県選抜大会がまだ開催されていない時から強化リーグは始まっていたので、新人戦(個人戦)のポイントを基にして、部分け(団体戦)を行うしか方法がありませんでした。それによって不都合が生じていました。シングルス1本強い学校がポイントが高くなり、団体としては弱い場合があり、その山に入りたいとも考えました。
 県新人戦もインフルエンザの影響で有力選手が出場不可になったりしたことが多くありました。年を明けて県新人戦を開催している県は関東にはありません。1,2月を2年生の鍛錬期とする必要があると思います。
そこで…県新人戦の年内開催 県選抜大会の結果を利用した部分けリーグの年内開催 を提案します。
②顧問のあるべき姿
指導の目標
・指導者の目標⇒1本化
            さらにそれらを⇒1本化
・選手の目標⇒1本化
 どちらの目標も複数の構成員がいれば食い違います。どちらも1本化する必要があります。その為に話し合う必要があります。大会結果でいうと、どちらの目標が高いかです。普通は指導者が「関東大会に出る!」選手は「市大会に出る!」のように指導者が高く、選手が低いことが多いと思いますが、その逆もあるいことと思います。
 前者のときどうしますか?指導者の目標を選手に押しつけますか?それとも逆ですか?自分はその時に年度別に中間着地点を探します。そして徐々に高い目標をお互いが目指すようにしていきました。今年は選手が弱いから「お休み」という指導者がいます。自分はそれがいやでした。そんな時こそ、それまで以上に頑張って先輩の記録に追いつくそんな姿勢を選手が取れるように仕向けました。連覇を目指すことが大きな目標でした。
 大会が終わると体育館の外で1人づつ教育相談を行い、1人1人が考えていることを確認して理解を深めていくことを大切にしました。

 自分が考えている指導とは…
生涯スポーツとしてのバドミントン
その為に必要な ①体力 ②正しいフォーム ③礼儀 ④正しい知識を教えることを重要だと考えています。またスポーツ嫌いを無くしていくこと、好きになれば何でも楽しんでできるようになります。大会で勝てればそれは嬉しいことですが、それ以上に大切なのは…
 京都に旦那の仕事の関係で転居する事になった教え子がいました。幼い時から川崎の地で生活してきたので、川崎にはやく帰りたいといつも思っていたそうです。3年生所属が自分は多かったので(教員生活42年間で23回3年生担当)毎年のように京都に行っていました。
 ある年京都タワーで昼食をともにしたとき話してくれました。「中学のときは厳しくていやだった時もあったバドですが、いまやっていて良かったと思います」「京都のレディースのチームに入れてもらい、嫌だった京都の生活が一変しました」「先生ありがとう!」と言ってくれました。そんな瞬間が大切だと思い指導しています。
Learning Teaching Coaching
の3つの要素のなかで一番大切にしていることはLearningだと思います。どうして欲しいかをしっかり先付けで示すことが大切です。

心がけた事
①毎週1回は部活動なしにする。
②部活動黒板の利用や「連絡・報告・相談」を徹底した。
③練習開始時間に顔をだす。
④一流の指導者に会って情報を得る。
⑤広報活動を積極的に行う。 

※具体的にはブログページ(ジュニア的練習法その6)を参考にしてください。

練習メニュー作り
 顧問や指導者が一番できて欲しい事が練習メニュー作成技術です。初心者指導・大会前の指導・大会後の指導・トレーニング時期など場面の合わせて、選手の実態を考えてメニューを組のは「指導者の役目」です。選手に丸投げしたり、来校した指導者に内容からすべてをお願いしたりしてもその学校の選手に何の効果もありません。
 まずは自分の学校の練習メニューを思い出して①アップ②トレーニング③フットワーク④シャトル打ち⑤ダウンを%で表し分析してください。自分は…
シャトル打ち>トレーニング>アップ>ダウン>フットワーク≒0
にしています。体育館練習では「シャトル打ち」に一番時間を割いて、でも「トレーニング」を欠かさないようにしました。フットワークだけのトレーニングは行わないで、必ずシャトルを使って動くようにしました。中学生から始めた選手を小学生からやっている選手に勝たせるためには「シャトル打ち」の時間が必要です。自分が行っていたメニューの割合です。


さらに…
 ヒントを与えれば、次は自分で行動できる
 完成形を必ず示してヒントを与えれば、それに近づこうと自分で行動するように仕向けました。最初は自分が教えます。それ以上は教えません。時に声を掛けて上達度を褒めたり、けなしたりします。そうすると、来校した指導者に自分から進んで指導をお願いするようになります。「バックハンドのドライブが上手く打てなく…お願いします」のようになれば大丈夫です。
               ①技術習得
練習の目的の理解⇒
              ②達成目標の設定
 
 以前は①の事のみを考えて練習していました。現在は②を大切にして行っています。午後の講習会で「スマッシュレシーブの初心者指導」を発表していただきました。ありがとうございました。普段は段ボール板で行っているそうですが、今回はシャトルの箱で相手の打ったスマッシュを体の正面で捕らえる練習でした。
 1人10本受けるのですが、「よい音」「箱の面の傾き」がよければ①技術習得になりますが何か達成感や面白みがないと思いました。そこで②達成目標の設定を作りために
面に穴を開ける、または今回のように箱に入れるようにして入ったシャトルの数を競い合うことにするように指導しました。そうすると、選手の取り組む姿勢が明らかに変化しました。
 これはSNR(スマッシュネットレシーブ)を2分間行うのが①技術習得、20本ミスなしに挑戦するのが②達成目標の設定になります。普段行っているメニューを変えることができます。さらに統計を取って、進度を評価することもできます。

<午後> 12時20分~15時
・講習会参加者に練習メニュー作り発表
①初心者へのスマッシュレシーブ指導

【動画:完成形スマッシュレシーブ】
【動画:箱当て1】
【動画:箱当て2達成目標設定】
【動画:ラケット固定】

【動画:ラケット固定選手】
②大会後のトレーニング シャトル打ち指導

【動画:10秒ラン1】
【動画:10秒ラン全体指導】
【動画:スマッシュ前後ネット】

・「時間で行う練習」と「回数で行う練習」の違い
※ページ:川崎ジュニア的練習方法その1<基本的な考え方>参考
・トレーニング指導 
①ドットトレーニング ②ゴムトレ ③コーディネーショントレーニングを行いました。

【動画:ドットトレーニング】
【動画:ゴムトレ】

【動画:ゴムへアピン】

【動画:筒剣玉】
<反省>
 今回実施出来てとても良かったです。関係者すべてに感謝します。茨城遠征も中止・延期となり、限られた活動できる時間でした。どうでしたか?その後体調不良になった方がいましたら必ず連絡をお願いします。次回は埼玉県・東京都の指導者の方にお願いしています。ご期待ください。お礼のメールをいただいたので披露します。

 本日は本当にありがとうございました!たくさん勉強になりました。何度か心が震えました。どういう子どもを育てたいか、少しですが見えてきたと思います。また練習参加させていただけたら嬉しいです。ありがとうございました!

 コロナウイルスで、当たり前のようにできていた練習ができなくなり、昨日帰ってきてバドミントンやっぱり楽しい!と息子は嬉しそうでした。バドミントンができる幸せを再確認できたことと思います。いつも子どもたちのために開催していただき、ありがとうございました!
思考は行動を伴って現実化する
を実践できた講習会でした。by組長









あるTVドラマの主人公の母親が自分の息子を考えて
「子どもにとって一番大切なのは、
味方になってくれる大人がいる事なんだね」
と言うセリフがありました。何か子どもを選手に、大人を指導者に置き換えてみると、指導者の役割がはっきりすると思いました。

会計報告 独立会計
収入 指導者8名:8000円 選手:45名:22500円 合計30500円
支出 シャトル代 27000円 体育館会議室使用料 11660円  
収支 30500-27000-11660=-8160円
<追加>
講義で出した課題の川崎ジュニア的解決メニュー
川崎ジュニアバドミントンクラブでは
①段階的指導法②達成目標の設定を軸に練習を組み立てています。

課題2:初心者の指導方法

目標:入部後夏休みまでにスマッシュ交互ができるようにする。
指導者:顧問+外部指導者+2年生(日ごと交代)

 この時期は指導者がまず教えてるが、2年生が交代して毎日の指導にあたる。1年生がうまくなるのは2年生の指導によると伝え、毎年強いチームを作る原動力とします。だれに教われば上手くなるかも競わせる。その為に1年生であったその年の1月~3月で1年間に習ったことができている必要がある。この時期に先輩となるに必要なことへの強いプレッシャーを与える。

・ 入部から1~2週間
 部の約束 挨拶 言葉使い 道具の準備 部室掃除(シャトル管理) 大会観戦(強化リーグや春季大会) 応援の方法 シャトルすくい シャトルキャッチ 審判方法 英語での数の数え方を学ぶ
 
<技術指導>
①ゲーム(半面シングルス)トーナメント戦を行う:バドミントンは楽しいと知らせる
優勝4点 準優勝3点 3位2点 参加1点のようにポイントを与え、ネームに記録する。
ネームは画用紙で作り、年代物にする。
※②回内回外の指導:バドミントンのラケットの振り方 体の使い方を知らせる
段階的指導:体固定 シャトル固定⇒体固定 シャトル動き⇒体動き シャトル動き
③ギャラリーノック スマッシュ前後ノック
 
【動画;ギャラリーノック10/22】

④タオル打ち ステージで声を出して行う
①~④を飽きさせないように行う。選手数が多いときはローテーションして行う。先輩が入るコートも必要だが、1年生にもコートを与える。

※②ページ:川崎ジュニア的練習方法その1<基本的な考え方>参考 
 初心者指導では「回内・回外」「内旋・外旋」を指導する時に、体=シャトルを「固定」「動く」で考え、ア「体:固定・シャトル・固定」イ「体:固定・シャトル・動き」ウ「体:動き・シャトル・固定」エ「体:動き・シャトル・動き」の順で指導していきます。いきなり投げたシャトルを動いて打つことから始めないことが大切です。

体:固定 シャトル:固定
・3週間目~1ヶ月
①フットワークの基礎:1-3の構え 2-4の構え
※フットワークだけの練習を行い、足の動きを覚える。
 
※③ページ:川崎ジュニア的練習方法その3<足の運ぶ方>参考

②サービス練習:試合に勝つために必要な事は何か考える。
③回内回外指導:これはしばらく続ける。
※体移動 シャトル移動に近づける。手投げでドライブの練習。シャトルへの目線の近いバックから始めてフォアへ移行する。
④基礎打ちオール系練習:ドロップオール スマッシュオール…

練習試合で小学生から始めている同学年の選手と試合をお願いする。 その点数を記録しておく。何ヶ月後や1年後に再び試合をさせてもらい、成長を確かめる。

・1ヶ月後~夏休み
①2-1スマッシュネット:1は2年生
②2-1ドライブネット:1は2年生
※交互系への移行を迎える 

・夏休み中
①すべての練習の復習:夏合宿で復習する
②アタック練習⇒レシーブ練習への移行
※スマッシュ、ドロップなど攻撃されたシャトルへの対応を、手投げから始めて身につける。
③交互系への移行:ドロップオール→ドロップ交互への移行 
ノック→対人練習
④ゲーム練習で競わせる:これがとても大切 はやく上手くなりたいと思うえるように。
いかがですか?

課題3:スマッシュレシーブを2ヶ月で習得させる方法
目標:スマッシュレシーブの基礎からコントロールまでを習得する。
指導者:顧問+外部指導者+選手
前提として1年生後半から2年生前半を意識して行うこととします。1年生前半はアタック練習が主になってしまいがちです。新人戦でも強いスマッシュが打てる選手が、まずは勝てます。ラリーを切るようなショットができるからです。相手のエースショットをレシーブしてしまえば、相手の選手は打つ球がなくなります。ですから、この時期にレシーブを強化することが上達の近道になります。
 基礎打ちも「オール系」(ドロップオール・スマッシュオール…)から「交互系」(ドロップ交互・スマッシュ交互・クリヤー入り…)に移す時期でもあります。 
【第1期】1週間目
段階的指導法として行う
①リストスタンドの習得
 リストスタンドを確認して、その状態でリフトの練習をする。常にリストスタンドをして強い球を打てるようにする。

②シャトル固定 体固定 ②シャトル固定 体移動
 シャトルの筒にコルクを自分の方に向けて固定し、最初にバックハンドでシャトルだけをランにして打つ練習をする。次に、ランジから体の移動もつけて行う。体の前でラケットを振るタイミングを習得させる。特にフォアハンドの場合は手首を引いてしまうことが多いので注意させる。


【第2期】2~3週間目
手投げ指導
①シャトル上から下  体固定 
 シャトル前から後ろ 体固定 
 シャトル前から後ろ 体左右移動
 段階的に順番に行う。バックハンドを最初に行う。

②バックハンド・フォアハンド:ラケットの持ち替え。
 バック・フォアを交互・ランダムに投げてレシーブする。

③サイドレシーブ練習:動きをつけてレシーブをする。
 左右高い球 低い球      NR20本ミスなし 
 右サイドからクロスストレート NR20本ミスなし
 左サイドからクロスストレート NR20本ミスなし
 真ん中からクロスレシーブ   NR20本ミスなし

【第3期】3~4週間目
コントロール指導:手投げ⇒対人練習
バックハンド側から
①ネット前ストレート ②ネット前クロス ③フォア奥 ④ラウンドクロス奥
【動画:バックハンド4方向手投げ】

フォアハンド側から
①ネット前ストレート ②ネット前クロス ③フォア奥 ④ラウンドクロス奥
 4方向へ手投げのスマッシュをコントロールできるようにする。
最初はレシーブ側が方向を考えて打つが、その後はフィーダーが指示するようにする。
順次、手投げから対人練習に移行する

【第4期】1ヶ月経った後は対人練習を中心にして試合で使えるようにする。
①ゴム鈴半面1-2レシーブ練習:バック側フォア側 2本エース取るまで
【動画:ゴム鈴1-2レシーブ】

②全面1-2レシーブ:1を選手にして4方向へのコントロールをする。クロスに振った時にはレシーブ側の1も半面コート指導する。
【動画:1-2レシーブコントロールバック】

③全面2-3レシーブ:3は後衛を1人にするか2人にする。2のエース抜け、ミス抜け
【動画:全面2-3レシーブ】

④4方向打ち分け練習:1-4で入り、1は同じ場所には続けて打てないこととする。4はスマッシュ・クリヤーを中心にしてフリーで打つ。20本連続ミスなし
【動画:全面4方向打ち分け練習】

⑤クロススマッシュレシーブ:1-3で入り、3の後衛はクロススマッシュを打ちレシーブする。できるようになったらクリヤーを入れる。20本ミスなし
【動画:クロススマッシュレシーブ】

いかがですか?これらの練習は川崎ジュニアの通常練習でも行っています。
動画等参考にしてください。
最後です…
課題4:大会終了後の指導

※課題 動きが遅く、シャトルにタイミングが合わずミスがでてしまう。
ラリーがすぐに途切れてしまう。持久力はある。
①トレーニング 
敏捷性を高めるトレーニングとして、現在までに川崎ジュニアで行っているものを紹介します。
シャトル拾いサイド
 シングルスのサイドラインに4~5個程度シャトルを置き、1人目がセンターから斜め前に進み回収してくる。2人目はそれを元に戻す。置き時も、取るときも腰や利き足の位置に注意をして、シャトルを取った後の動きを早くさせる。秒数や、チームで速さを競う。

ラインテープを貼る

 シングルスの半面の中央両サイドにラインテープを貼り、センタースタートでサイドのフットワークを行う。右左のノーマルと右右左や左左右も行う。20秒で50回程度を目標にさせ、毎日行って記録をつけさせ向上を目指す。教室外の廊下でもできる。
【動画:左左右】
ドットトレーニング
 ラケット1本分の幅でコートにさいころの「⑤の目」のようにして点(ドット)をうつ。
後ろスタート・前スタート・90度回転など、バドミントンの動きに合わせて素速く動く。狭いところでも短時間で体が暖まる。

  
チャイナステップ・シナジージャンプ・ランジ
敏捷性(すばやさ)・初動速度(動きだし)・持久力(長持ち)が鍛えられる
          大きくゆっくりな動き⇒速い小刻みな動きで素早く
  川崎ジュニアメニュー(10秒前後大きく、10秒前後素早く 2セット)
1.前後(両足) 2.V字(両足) 3.横ジャンプ(左右足) 
4.対ステップ(左右足) 5.左右開脚(同じ方向) 
6.手足ひねり(手足逆方向)7.左右足踏み(20回) 
8.股開脚ひねり(外から内) 9.股開脚ひねり(内から外)
10.タッピング(前後左右回転)

【動画:チャイナステップ⑩】
  
シナジージャンプ
  筋シナジーとは、多数の筋の活動に見られる協調構造です。簡単に言うと複数の筋の同時活動のこととされています。複数の筋肉を動かす運動することが大切です。チャイナステップ(CS)もこれにあたるのかとも思います。ランジ(Lunge)を基礎のしたステップの練習を取り入れました。
ランジ

①左右ひざ上げ ②左戻りジャンプ ③右戻りジャンプ ④左右戻りジャンプ 
⑤右左戻りジャンプ ⑥ランジから 左軸(右軸)足離し 前横後 ⑦ランジから右軸(左軸)前後 ⑧ランジから左右入れ替え ⑨ランジから左右軸回し ⑩ランジから両手タッチ往復
【動画:シナジージャンプ】
②手投げノック練習
達成目標の設定
<正確に打つ練習>
ネット前のスマッシュをラウンド側(フォア側)から打ち、3~4人のグループでシャトルのケースを時間内に倒すようにする。ケースの位置や大きさ高さを工夫する。
 また、半面のコートを「フォア」「ボディー」「バック」の3カ所に分類して、コート内に選手を構えさせて「声」や「光」で指示を出してそこを正確に狙う練習を行いました。相手の構えを見て、更に「声」による反応や「光」による刺激を脳に得て、行動に移せるようにしました。また。ラケットの面を意識し、シャフトを打つ方向に向けて、体をコントロールできることが重要になります。決して大ぶりにならないように、コンパクトなスイングと体の前への動作が必要です。

【動画:ラウンド側スマッシュ】
光るの指示方法

【動画:正確に打つ練習 光】

<20本ノック>
シングルスの場合は指導者側がトップ&バックで構え、ダブルスの時はサイドバイサイドで構えて始めます。20本ミスをしないで、更にエースを取れるように配球を考えて欲しいです。自分の体勢、相手の体勢を考えて配球することです。ミスを得点と考え、負けはセンターダッシュ1本としました。

【動画:20本ノックシングルス】

③対人練習
ミスが多い⇒つなぐ練習を行うことにしています。
「時間で行う練習」「達成目標を設定する練習」を併用して行っています。

<オールショート練習>
目標時間回数の設定(2018/12/24の練習記録より)
奥原希望さんの73回ラリー」
 県指導者講習会でいただいた、2017年Australia Openの女子シングルス準決勝:奥原希望さんと中国の孫瑜さんの試合を試合分析の資料によると、得点は21-18,18-21,21-14
で総得点113点、WP(ラリーの時間):1186.5秒=約20分なので、平均WPは1186÷113=10.5秒となります。また、総ストローク数が1099回なので、平均ストローク数は9.7回になります。
 さらに、2017年8月27日、世界バドミントン選手権大会の女子シングルス決勝で奥原希望さんがインドのシンドゥ・プサルラさんを破り、この種目で日本勢初の金メダルを獲得した試合。1ゲーム目を奥原さんが20-19でとり、2ゲーム目20-21で相手のゲームポイントになった時のラリーが1分20秒、73回のラリーでした。これを奥原さんが落としてファイナルゲームになりました。酸欠状態で倒れるような場面でした。自分のタブレットと選手のスマホで検索して動画を観ました。ファイナルは22-20で奥原さんが取りました。
 
 この2つのことから、打っている球の正確さやパターンはジュニアと違くても「ゲーム練習ではいつも10秒、10回以上のラリーを作る、相手と2人で20回」、「パターン練習では1分30秒以上のラリーを作ることを川崎ジュニアの目標にしました。
 数値的目標決め、自分の分析を数値で取って向上させることにより、向上心が芽生え、レベルアップが図れると考えました。そこで…
1分30秒ミスしないでオールショート(S)やオールロング(L)を行い、各回ごとに選手には記録をつけさせました。0~30秒はC判定で1点、31秒~60秒がB判定で2点、61秒~89秒がA判定で3点、90秒達成がA○判定で5点としました。

【動画:1分30秒オールショート・ロング】
<20回(20秒)フリー>
20回全面VS半面フリーでは20秒の長さを意識して積極的に攻撃して相手のミスを誘うことも重要です。
【動画:20回フリー】

<SNA SNR>
スマッシュネットアタック(SNA)やスマッシュネットレシーブ(SNR)などもつなげる練習には有効です。20本ミスなしでNRを3セット行い、統計をとっておくと良いです。スマッシュからが無理の時はドロップで行ってもよいです。
 
④試合練習
<2-1スマッシュフリー>
2-1で全面展開で行いました。選手のラリー数を20本として、選手のミスの数・内容・指導者のミスを手持ちのホワイトノートで記録して記録用紙に記載して平均数を出しました。4人組で行い、各コートに指導者1~2名が入りました。ドロップはなしです。
【動画:2-1スマッシュフリー】

<交代フリー>
3~4人組でチームを作り、サーバー以外は1本打ったら交代して次の人にバトンタッチする。自分の前の人が何を打ったか、相手がどうなっているのかを瞬時に観察して、自分の打つ球に集中する。11点1ゲームで行う。負けはダッシュ。


【動画:交代フリー】 

 ぜひ練習メニュー作りの参考にしてください。色々な引き出しも必要ですが。組み立て方と選手の実態把握が大切です。他のチームから習ってきた練習方法をそのまま実践しても効果がでないことは、間々あります。選手を観察してどの段階から始めたらよいか、行ってみて、できなければ段階を引き下げて始め、必ずできるようにして次の段階に進むことが大切です。講習会参加ありがとうございました!by組長