川崎ジュニア的練習方法その6<より良い活動のために>

<より良い活動のために>
・部活動やクラブ活動がより良い活動になるするためには、その時代の社会の変化要請に合わせて活動し、部員(クラブ員)・保護者・指導員(顧問・事務局・指導者)など、その活動に参加するすべての構成員が同じ目標達成に向かって活動する必要があります。川崎ジュニアバドミントンクラブとして30年間、中学校部活動顧問として41年間の経験ではありますが、これまで実践してきたことを少し書いておこうと思います。
【社会の要請】
 平成4年9月に第二土曜日が学校休業日となりました。翌年平成5年9月の第二土曜日から社会体育クラブとして、川崎ジュニアバドミントンクラブは平成7年8月に行われる全国中学校バドミントン大会地元開催に向けて結成されました。休業日には地域に生徒を戻し、活動させようという考えに基づき、学校休業日が第2第4土曜日に増えた平成7年には月に2回の練習になり、すべての土日が休業日になった平成14年4月からはそのどちらかに活動するようになりました。(川崎ジュニアの歴史のページ参考)
 現在中高部活動に対して、「川崎市・部活動に関わる方針」は、生徒の健全な成長に加え、教職員の仕事と私生活の調和を実現することをねらい、平日と土日で各1日以上、週2日以上の休養日を設定することや、大会出場等で週末の活動が続く時は休養日を振替えることなど、活動時間や休養日の基準などを示しています。
 そのような状況のなかで、よりバドミントン競技の活動時間を増やしていきたい選手や色々な指導者に学んでいきたいと思う選手には、今も将来もこのクラブが果たす役割があると思っています。また、年間2回の宿泊練習会や、他県への遠征なども様々な方々のご支援ご協力をいただき現在活動できるようになりました。

【部員(クラブ員)への指導】
 1日の練習内容や反省、未来を見据えるために初任のころから「バドノート」や「羽球音」を書かせるようにしていました。班ノートであった時や個人ノートになった時もありましたが、続けてきました。そのノートの表紙裏には次のように毎回書かせました。



 そこに顧問が育成したい選手像を示しました。部活動に意義を感じとり、学校生活を充実させていくなかで、部活動の重要性を語り、学校生活上のことはもちろんですが、部活動に関しても必ず期限や行動、挨拶などを守らせる指導を徹底することが大切と考えました。
 そして、一人一人に必ず役割を与える「生徒組織」を作りました。その部内で自分の立つ位置が必ずあるようにしました。具体的は「部長」「副部長」「学年代表」や「練習部長」を設置したときもありました。また「部室の整理整頓」は1年生を中心に、毎日必ず上級生がついて行いました。「シャトル管理」「備品の管理」など重要な役割を任された者には、自尊心も育てていこうとしました。反省会やミーティングを大切し、「部内教育相談」や「バドノート」でコミュニケーションを常にとりました。  
また、道具を大切にし、ジャージやウオーマーのたたみ方などもきちんと出来るように注意をはらった。卒業文集や部独自の「部誌」を作成し年間の活動のまとめとした。そのようなことの毎日の積み重ねが大切だと思って指導してきました。

【保護者との人間関係】
 保護者の方々に、顧問(指導者)の考えを的確に理解してもらうことがとても大切だと考えました。顧問(指導者)の独りよがりの活動では何も得られないし、よく話して意見もいただき、共に選手を育てようという姿勢が大切だと考えています。そのために保護者会の組織を必ず作りました。「代表保護者」を選出していただき、シャトル代などの費用の管理も保護者にお願いしました。何か新しいことや費用がかかることを行いたいときには必ず保護者会を開催して話し合いの機会を作りました。時に「親子バドミントン大会」や「夜の懇親会」なども開催し親睦を深めたりもしました。
 また、競技経験がある保護者には練習の補助に来ていただけるような手続きもしました。後にも記載しますが「OB会」や保護者宛に大会報告書を配布して現在の様子をリアルタイムで伝えるようして活動を知っていただきました。OB会からはシャトルの補助もいただきました。
 ジュニアクラブでは様々な学校から集まっていただく保護者に普段の練習会の見学、指導者としての参加や、「宿泊練習会のお手伝い」等に来ていただいて、生徒の活動を見ていただき、理解を得て活動しています。今年(平成30年)からは「ブログ」を立ち上げ、より情報が得られるようにしている。
【指導員・顧問(指導者)として心がけること】
 ジュニアチームの指導者として前に立って選手や保護者から信頼が得られるような態度・生活・家庭・社会人としてふさわしい人物でありたいと思っています。中学校教員としては、部活動指導前に、もちろん教科指導・生徒指導の充実が欠かせません。
 活動の方針を作成し、年間計画と月ごとの計画を立てて、毎日の練習内容を練って、選手や保護者とのコミュニケーションをとり、大会を迎えることはとても大変な日々ですが、選手と共に成長していくことの喜びは、何ごとにも代えがたい貴重な体験です。
 ジュニアクラブの活動でも同じです。特に会場確保、指導員の招へい、予算、練習シャトルの確保など指導員として事前に準備することは多数あります。でも、通常練習や宿泊練習会での選手の頑張りや保護者の協力態勢をみると、とても嬉しいです。自分が学校にチームを持っていたときも、他校の選手が上位の大会で活躍していく姿を見るにつけ、この活動をしていて良かったと思います。その都度、顧問冥利や指導員冥利に尽きます。

 先輩に教わったり、自分で考えたりして具体的に自分が心がけてきたことは次のようなことでした。
①毎週1回は必ず部活無しにしました。
 ※相当前から毎週月曜日を活動なしの休みにすることが多かったです。予定変更はせずに、この日は絶対休みにしました。生徒は習い事や病院、健康管理に時間をあてました。指導者は家庭に帰ることを原則にし、仕事があればこの日に出来るだけしました。
②部活動黒板の利用や「連絡・報告・相談」の徹底をしました。
 ※朝と昼休みに生徒に必ず見に来るように指導しました。バドノートなどと合わせて連絡・報告・相談を徹底させました。大会時には「トランシーバー」を持参し、会場で選手や応援者に的確な行動指示ができました。
③練習開始時間に顔を出す。
 ※放課後会議などがあっても、会議開始前に1分2分でも構わないので練習場所に行き、生徒に指示を与えるようにした。練習計画をノートやボードに書いて生徒に伝えるようにした。練習には必ず着替えて活動場所に出向きました。着替えられない時は実技指導はしないことにしました。
④一流の指導者に会って情報を得る。
 ※先輩に教えていただいて今も実践しています。顧問になりたての頃は毎週1日「顧問の練習会」が夜に行われていました。現在では県内や県外の指導者の考えを聞いたり、県市協会の会議に参加して情報を得るようにしました。日本スポーツ協会の「指導員資格」も取得しました。業者やメーカーの方にお願いして指導に来ていただけるようにしました。人が人を育てるとのだと思います。選手のため、自分のための人脈が大切でした。
⑤広報活動を積極的に行う。
 ※これも先輩に教わりました。大会結果がでたら新聞社に自ら売り込めと教わりました。活動の結果が記事になれば,生徒はもちろんのこと保護者、地域の方々などに喜んでいただけて、今後の活動の励みにもなると、お聞きしました。待ちの姿勢ではなく。そこで、自分は大会終了後出来るだけ次の日には「報告書」(以下の画像)を作成し,保護者と「OB会」に配布しました。大きな大会では「パネル」(A3サイズ)で配布しました。生徒の中に「写真係」を設けました。また、タウンニュース社に原稿を売り込み、記事に多数していただきました。(ホームページで検索してみてください)さらに、保護者に大会の様子をビデオ撮影でお願いし、大会の様子を編集してDVD作成をして、生徒に配布して学校の昼の放送に流していただきました。












 今回の最後に…今年(平成30年)3月に教員を辞めて3ヶ月ほど経ちました。以前から自分が実践してきたことを、書いておこうと思っていました。卒業生にブログを立ち上げてもらい、案外簡単に更新できることがわかり毎週書き足しています。たいした内容ではありませんが、何かの足しになればと思っています。4月にある市内のバドミントン部顧問の先生から手紙をいただきました。嬉しかったので少し紹介します。(すいません)ありがとうございました!
この姿勢を今後も自分のものとしていきます。次回は「バドノート」について書きます。by組長