川崎ジュニア的練習方法その2<練習方法の具体例>

<その2>
・練習方法の具体例
4月5月の通常練習会で行った【つなげる練習】も基本の考え方(段階的指導法)に基づいて行いました。少し整理します。
 まず、なって欲しい姿を決めます。4月はアタック練習の中でラリーを20本つなぐことと、パターン練習で5周ミスなしを目標にしました。5月はその中にレシーブ練習を入れました。そして、①ドロップネットで20本ノーマル(N)ランダム(R)と段階的に進めました。4月、ある程度基本のストロークが打てる選手が主だったので③対人練習から始めました。目の前の選手がまだ、スマッシュなどの打ち方ができていないときは①手投げノックから始める必要があります。
 基本のフォーム作りから始めなければならないときには、焦らず丁寧に進める必要があります。1つ1つのことを確実に克服していくことが必要です。選手ができたと言う実感を得ることが大切です。これまで出来なかったことが、出来るようになった瞬間を指導者が見逃さずに、ほめることが選手を「伸ばすきっかけ」になると思います。(N)が出来たら(R)に進ませ、それを評価することが大切だと思います。
最近では(N)(R)を3セット行い、ミスの記録をつけて毎回同じ練習を重ねることで向上した部分や、まだ停滞している部分の確認をしています。
 時間で行う練習から脱却して、本数を意識してそれを達成して交代するスタイルに変わってきています。
 そして、数多くの指導者に教わることが大切と考えています。自分は選手にアドバイスをしますが、それを続けて指導することはしません。選手に気づかせそれを自分で克服していくときに、他の指導者に聞きにいき、練習をすることが向上の条件になると思っています。川崎ジュニアの特徴は共通の指導理念を持っている複数の指導者を招聘していることだと思っています。それをぜひ利用して欲しいものです。
<練習例>
なって欲しい姿:【レシーブ練習】でコースを作り、アタックに移行して1点を取る。
2~4種類の練習法をあげます。
①手投げ練習
スマッシュの手投げ:バック・フォアの打ち分け。5~10本で前プッシュ交代。
バック・フォアの一方とランダムを行う。段階的にドロップやクリヤーを入れる。 レシーブの構えをしっかり指導する。打ったら構えるを徹底させる。
サイドコートの手投げ:投げるシャトルの高さを調整する。投げる位置やシャトルのコースを変えて投げる。20本5セット程度。

②ラケットノック練習
レシーブから前:スマッシュをストレート・クロスに切り返して前に出ててプッシュするノック。フォア・バックの両側とスマッシュのコースによって切り返すかどうかを考えさせる。
連続ノック:シングルスは1分30秒。ダブルスは2分。連続でノックする。ミスをせずに続ける。アンダーだけで無く、サイドやオーバーからドライブやスマッシュの球をコートに入れる。

③対人練習
半面レシーブ:レシーバーは半面の真ん中に構えるのではなく、右利きの場合フォア側を練習したいのなら左サイドのラインに戻ってくるように指導する。段階的にスマッシュネットから始め、クリヤーやドロップ、逆玉(構えていない側のコース)を入れていく。2分×10セット程度

3-1、3-2のレシーブ:シングルスは3-1で、ダブルスは3-2で行う。ミスをしたら次の球をすぐに出して構えをはやくさせる。2分×2でサイド交代して行う。

オールロシア:オールング・ロールョート・オールタックを2分交代でサイドを変えて1人・1組8分交代で行う。段階的に相手にだすシャトルのコース。スピードを変えてノータッチを無くすようにしてラリーをつなげる。ロングにはスマッシュを打ってもらい、②のレシーブから前を対人練習で実践する。全面に2人・2組入る場合は片方はロングで、もう一方はショートを行う。1人・1組を全面で行うとよい。

1点返し:オールロングで半面対全面の1点返しを行う。動かされる方も切り返してノータッチをお互いに取れるようにする。4分×5

※同じ練習でも、選手の技量に合わせてシャトルのコースやスピードを考えて出来ることを毎回増やしていく指導が大切です。いきなりできる選手にはその練習は必要ないと思われがちですが、それでもその選手の段階を考えて、シャトルを出すことが大切です。ご自身で【アタック練習】や【動き作り】【初心者の指導】など①から③の練習をつながせて、さらに段階的に指導して行く方法をさぐってください。by組長