川崎ジュニア的練習法
その1:基本的な考え方
その2:具体的な練習方法
その3:足の運び方
その4:トレーニング方法
その5:年間計画について
その6:よりよい活動を目指して
その7:バドノートの実践記録
以上の内容で前回(2018年)から追加した部分は太字で書き直しました。
基本的な考え方
①スタンス
練習は選手のためのものだという考え方です。指導者の経験上で得たものだけに頼った練習方法ではなく、最新の指導法を学習して目の前にいる自分の選手の実態を考慮して練習を練ることが大切と考えます。そして選手、指導者双方が活動の目標を設定し、共有しそれに向けて毎日の活動を積み重ねることが大切です。決して指導者の独りよがりな目標を選手に課すのではなく、バドミントンを通して何を得るのかを考えていく必要があります。
マンダラチャート |
②バドミントンのための練習
今から始める練習がバドミントン競技のどの部分と関わっているのかを考え、指導者同士、選手との共有を得た上で実行することが大切です。毎日行っている練習にも疑問を感じ、見直していく姿勢が大切です。
③段階的指導法
習得したい技術や体力、精神力の完成形を考え示し、それに向けて「段階的に指導」して身につけさせるようにします。その段階を3~5段階ぐらいに細分化して練習メニューを考えていきます。
初心者指導では「回内・回外」「内旋・外旋」を指導する時に、体=シャトルを「固定」「動く」で考え、ア「体:固定・シャトル・固定」イ「体:固定・シャトル・動き」ウ「体:動き・シャトル・固定」エ「体:動き・シャトル・動き」の順で指導していきます。いきなり投げたシャトルを動いて打つことから始めないことが大切です。
また通常練習でも順番が決まった配球:(N)ノーマル、順番が決まっていない配球:(R)ランダムとして(N)から始めます。オーロショートロングなどは(R)になると思いますが、これらも(N)から行います。最初は(N)ができない時は、(R)はまだ始めない方がよいと思います。
体:固定 シャトル:固定 |
体:固定 シャトル:動き |
体:動き シャトル:動き |
以前は時間を決めて行う練習が多かったですが、時間をこなすだけになってしまう選手になってしまいます。そこで本数で行う練習をしています。本数で行う練習では、例えば20本ラリーをするときにミスの数目標を設定することにより、それに向かい頑張る姿勢を作ることができます。3回程度行い、1回目にミスが多くても、2回目3回目に少なくしていく。また毎回行い統計を取って、前回よりも少なくしていけるように評価して指導します。行った練習トレーニングなど必ず評価しています。技術が未熟な選手に対しては、表面上で出る数値だけでなく、「伸び率」を見てあげることも必要です。
⑤楽しい練習・最新の練習
常に指導者はアンテナを張り、指導方法の学習をする必要があります。この2年間でも様々な方にお会いして学んできました。「動的ストレッチ」「コーディネーショントレーニング」「HIITトレーニング」「意識の分散」「ドットトレーニング」「ランジトレーニング」…自分の目の前にいる選手の技量などに合わせて取り組んで行く必要があります。
⑥こなす練習↔完結する練習(2024/10から実施)
こなす練習 :反復練習→繰り返し行うことで技術の習得を図る練習
欠点:単調な練習になりがち→工夫が必要
完結する練習:ストロークの意味を考えて最後の球を決めて終わる練習
欠点:動きや打ち方ができていないと効果がない
→こなす練習に戻る
<例>スマッシュで終わる練習
こなす練習 :スマッシュノック
半面のコートにセンターラインからラケット2本分の
位置にマークを置きサイドラインの間にコントロールする練習
1人4球×10周×4人=160球でミス率10%以内(16球)を目指す
完結する練習:スマッシュ対人練習
ヘアピンからロブ→スマッシュストレート クロス
7球×3セット×3方向=63球中1桁ミスを目指す(10球で16%)
ヘアピン→ロブ→スマッシュレシーブ→ネット前返球→ロブ・スマッシュ
3本勝負
退職した年にいただいた手紙を本人の承諾をいただいて掲載しています。
今は長年の恩返しと自分のために活動しています。これからもよろしくお願いします。